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【インタビュー】意欲ある若者を支え、人と人とをつなげるキーパーソン ー 岩井 俊宗さん

 

「aretという場とつながりをコーディネート NPO法人とちぎユースサポーターズネットワーク代表理事 – 岩井 俊宗さん」

 

第1章:aretに来るまで

 

-「NGOのためのNGOになりたい」-

とちぎユースサポーターズネットワーク 代表理事 岩井俊宗さん

NPO法人とちぎユースサポーターズネットワーク代表理事 岩井 俊宗さん

 

俊宗さんがチームを支える役割の重要性を学んだきっかけは、世界を変えるための取り組みをしていたNGOの存在だった。

当時高校生だった俊宗さんは、赤十字の派遣で行ったネパールで村づくりをしている日本人職員と出会い、こうした活動を職業にしている人がいるという事実に衝撃を受ける。

そこで「自分もこんな仕事がしたい」と思い、世界状況について勉強するため、地元の宇都宮大学国際学部に進学。

勉強をする中でNGOという地域の課題を解決する住民チームが動いている存在を知り、学外でNGOと一緒に動くようになると、ふとある疑問を抱くようになった。

 

社会問題を解決したいという意思に支えられているが、仕事になっていないな」

 

そこでNGOを支えるための役割を担うチームが必要だと認識した俊宗さんは、大学卒業後、宇都宮でNPO・NGOを支える組織に入る。

活動を通して、地域の課題をNPO・NGO・ボランティアとして立ち向かうことにやりがいと充実を感じていた。

しかし、継続性・予算がないなど、意志だけでは解決できないボランティア活動に限界を感じ、

 

「社会問題の解決を職業としてやりたい」

 

と思うようになる。

 

同時に、大学生は「未来のために何かしたいと思っていても何をしたらいいか分からない」、大人は「若者の力を借りたいけど借り方が分からない」、地域には「課題が山積み」という重なり合っていない状況を知り、それらを掛け合わせることでハッピーな地域をつくりたいと思うようになる。

 

そして、若者と地域をかけ合わせ社会課題を解決する「NPO法人とちぎユースサポーターズネットワーク」(以下ユース)を立ち上げる決意をする。

 

-NPO法人とちぎユースサポーターズネットワークの立ち上げ-

コワーキングスペースáretにて業務をこなす俊宗さん

事務所にて仕事をする俊宗さん

 

ユース立ち上げ後、地域で社会課題に立ち向かう人のインタビューや学生インターン生の受け入れを開始したことでネットワークが広がり、

 

「地域で頑張る人材が職業として成り立つように」

 

という想いのもと少しずつ道筋が見えてきた。

そして常勤体勢でユースを成り立たせることを決意したちょうどその時、”新たな公共”という住民の力を活かした地域づくりを支える国のムーブメントが起き、NPOマネジメントの講座、国の民間支援などを行うようになる。

様々な社会課題を解決し、学生との関わりも増えたことによって周囲からの信頼や期待が構築され、自信がついてきた。

そんな時、光林寺でお坊さんをしながらも先進的な取り組みをしている広法さんと出会うことになる。

 

-広法さんとの出会いとaret誕生-

 

「不確実、不安定、複雑、曖昧。そんな時代に何ができるか」をテーマにした広法さんの講演会を聞いた俊宗さんは、自分の思っていることを的確に言ってくれていると感銘を受ける。

その後、忘年会で再び広法さんに再会する。

若者の力を育む・課題解決をするという実績こそあったものの、教室の中や建物の中など決められた一定の場所で行うスタイルだったため、育んだ若者を現場につなぎきれていない反省があった俊宗さんの

 

「日常的に色んなチャレンジャーが関われる空間が欲しい」

 

という想いと

 

「お寺は亡くなった人のためのものにありつつあるけど、そうではない。お寺の可能性はもっとあるはず」

 

という広法さんの想いが一致。

 

「未来に対する使命感の共有ができました」

 

広法さんと未来を語る中で、色んな事に「いいね」と思えて、本質を追求することができる未来を自分たちで作っていきたいという想いが一致し、aretのプロジェクトが始動することとなる。

 

第2章:aretから見る未来

つばめソリューション代表の石川慎太郎さん(左)ととちぎユースサポーターズネットワーク代表理事の岩井俊宗さん(右)

つばめソリューション代表 石川 慎太郎さん(左)、NPO法人とちぎユースサポーターズネットワーク代表理事 岩井 俊宗さん(右)

 

俊宗さんは、まずは狭いエリアで多くの人が関わり会える社会を実現したいと考えている。

ひとり勝ちするビジネスでなく、みんなでお金を回すために信頼・信用をベースに置いた経済圏と、地域全体で家族のようにつながり合って支えあう地域環境である「連帯経済と地域家族」を軸にした社会。その理想の社会を作るために、日々奔走している。

俊宗さんは、aret自体が潤うことをゴールとしていない。

aretという建物の枠に留まらず、周辺エリア全体が、地域住民と外からの挑戦者とが出会える“地域の玄関”になりうる実践的なモデルを構築したいと考えている。

 

「aretにいる意味は、自分たちがほしい社会をつくること。人と人とが出会い、経済と人がつながるようなエリアをつくりたいです」

 

地域の厚い信頼に答えるべく、寝る間も惜しんで活動に勤しむ俊宗さん。この拠点で大きな変化を生み出します。

地域の厚い信頼に答えるべく、寝る間も惜しんで活動に勤しむ俊宗さん。この拠点から大きな変化を生み出します

 

 

俊宗さん、ありがとうございました!地域で社会課題解決の為に頑張る人たちを支えようと日々奔走する姿はとても前向きできらきらと輝いていました。自分の実現したい思いにまっすぐで、話していると私も頑張ろうと思わせてくれるような不思議な力に満ち溢れた方でした。俊宗さんの熱い想いを受け、aretが地域の玄関になれるように、一緒に走っていきたいです!(取材・カメラ・編集:森谷)