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【インタビュー】ITとデザインの力で地域をより輝かせる ー 石川 慎太郎さん

「aretのレジデンス利用者第一号/つばめソリューション代表 – 石川 慎太郎さん」

第1章:aretに来るまで

áretのレジデンス利用者第一号/つばめソリューション代表の石川慎太郎さん

aretのレジデンス利用者第一号/つばめソリューション代表 石川 慎太郎さん

 

「広い世界やその仕組みをもっと知りたい」

 

たくさんのことに興味を持ち、機械を触ったり、モノを作ったり、絵を描いたり、本を読んだり、実験をしたりと、幼少期から世界の仕組みに関心があった慎太郎さん。

理系の大学に進学後、研究者を目指して勉強をする中で、一つの事象について突き詰める研究職が自分に向いていないことを痛感し、興味をもっと幅広く活かせる方向に向かうべきだと認識する。

同じ頃、一般に普及し始めたインターネットに触れ、「IT技術は、世界の仕組みをきっと変える」と可能性を感じ、コンピューター関連の仕事に就職することを決意。

「コンピューターと人とをつなげる仕事をすれば、世の中をもっとより良くできるのではないか」

そうした想いのもと、IT企業に就職。

ところが入社後、待っていたのは想像していた未来とは違う、困難な現状だった。

 

-社会での紆余曲折-

慎太郎さんにáretに来ることになった経緯をお聞きしました。どんなときでも熱量を持って、真剣な瞳で話してくださいます。

慎太郎さんにaretに来ることになった経緯をお聞きしました。どんなときでも熱量を持って、真剣な瞳で話してくださいます

 

堅い社風が漂う会社は上下関係が厳しく、会社の中の論理や自分たちの利益が優先され、お客様を第一に考えない実態など、理不尽なことが多かった。

 

「納得がいきませんでした。そして、自分ができる範囲で会社の仕組みを変えたいと思いました」

 

ときには上司や先輩とぶつかり合うこともあったが、新たに配属された部署でのチャレンジに満ちた仕事は楽しく、想いが一致する仲間もできた。

そんな中で働く日々は充実していたが、8年が経つ頃には「新しいチャレンジがしたい」という気持ちが芽生え、幼い頃からの夢であった海外留学に行くことを決意。

語学学校に通い、仲良くなった世界中の友人たちと充実した日々を送っていた。

 

そんな中、日本に大きな悲劇が起こる。

 

 

-東日本大震災の発生-

 

日本が巨大な津波に飲み込まれる映像を見た慎太郎さんは、急遽帰国。そのままボランティア活動を始めることとなる。

そこで初めて、社会をより良くしたいと真剣に向き合う人々に出会う。

 

「身を挺してまで困っている人を救いたいという人が、こんなにたくさんいるんだ」

 

これまで社会で出会った人たちとは全く異なる「想いを持った人々」の存在に衝撃を受けた。地域のため、クライアントのため、追求したい未来のため。想いをもって活動している人たちは、とても生き生きと輝いていた。

一方でそういった人たちは、目の前の課題解決に全力を注いでいるため、情報発信や活動の見せ方、IT技術などが苦手ということにも気づいた。

 

「いま自分が持っているスキルで支援できるかもしれない」

 

幼い頃から育んできた興味関心や経験、想いのすべてを集約することで、そういった人たちを助けて世界をより良く変化させることができるのではないか。

また、その活動をベースに新たな仕組みを作り、多くの人がより生き生きと仕事ができる環境を整え、さらにたくさんの価値を生み出していけるのではないか。

そんな想いのもと、つばめソリューションを設立。

また、同時期にNPO法人とちぎユースサポーターズネットワーク代表理事の俊宗さんと出会い、並行してユースの活動にも関わることとなる。

 

第2章:aretに来てから

áret2Fの作業スペースにて。地域で生まれた商品のラベルを製作中です。

aret2Fの作業スペースにて。地域で生まれた商品のラベルを製作中です

 

「場の力の大きさ。それをaretに来て知りました」

 

aretができる前、つばめソリューションには固定の作業環境はなかった。

 

「ここにきて仲間が増え、周囲とのコミュニケーションの密度が濃くなり、仕事の可能性が広がりました」

 

aretに来てから更に仕事が楽しくなったという慎太郎さんは、「コミュニティの重要性」を語る。

つばめの仕事はクローズドな環境でも進めることが可能で、そうすればもっとコストを低く抑えつつ広いオフィスを借りることもできる。

しかし、自らの事業範囲内にとどまらない様々な人が集うコミュニティの中で仕事をすることは、それ以上の価値がある。

慎太郎さんは、「異なる夢を追いかけている人とのつながりから生まれるアイデアは、新たな価値を生み出すきっかけとなる」という。

 

「aretでは、分野・価値観・世代を超えた様々な人たちとのコミュニケーションが生まれます。そこでの気づきから、自分の追求すべき道筋がより鮮明になってきます」

 

日々、aretに集う生き生きと自分らしく頑張る人たちの想いを受け、コミュニケーションを紡いでいくなかで、社会ではどんなものが求められているのか、ニーズや自らが向かうべき方向が具体的にイメージしやすくなる。

 

「ここにいれば、もっと新しい価値を生み出せる確信があります」

 

 

第3章:aretから見る未来

つばめソリューションは、ITとデザインの力で新たな価値とより良い変化を生み出すチームです。今日もáretで地域に変化を生み出します。

つばめソリューションは、ITとデザインの力で新たな価値とより良い変化を生み出すチームです。今日もaretで地域に変化を生み出します

 

「エリアを超えて、新たな価値を世の中に発信していきたいです」

 

デザインやITは手段であり武器であると考える慎太郎さんは、それらを使って人の営みをさらに一段階引き上げることを目標に、日々仕事に取り組んでいる。

aretは、仕事につながる新たな気付きをたくさん与えてくれる。それにより、つばめソリューションのような新たにスタートした事業が、大きく羽ばたくきっかけが生まれる。

慎太郎さんは、aretで自分自身の活動を進化させていきたいと願うと同時に、aretを、地域を良くしていきたい・人の幸せに貢献したい・面白いアイデアを実現したいという未来に向けて歩ける人たちが輝ける場所にしたいと語る。

 

 

「アイデアを持った事業の卵たちが、活動を羽ばたかせるための拠点。aretはそんな場所であってほしいと思っています」

 

 

 

慎太郎さん、ありがとうございました!つばめソリューションでのインターンシップを通して感じていた、ITやデザインに懸ける想いや地域をより良くしたいという気持ち、クライアントに寄り添うこと以上に、考え方の深い部分を知ることができて感動しました。ITやデザインを手段として地域をより良くするためには、物事の本質を捉えて提案に落とし込むということがとても大切になってくるんだと実感しました。これからも慎太郎さんの思考をたくさん吸収したいです!(取材・カメラ・編集:森谷)